インタビュー「カツオ県民会議、私はこう考える」を再掲。第1回、受田浩之高知大副学長

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 カツオ県民会議には、さまざまな立場の方が参加し、それぞれ熱い想いをもって取り組んでいます。正面から聞いてみると、なるほど、と思うことがあります。県民会議には、こんな人が参加しているんですよ、を外向けに発信するにとどまらず。会議の中でも、この人はこんな気持ちでいたのか、という相互理解を進めることにもつながっています。
 ホームページでは、情報発信分科会のコーナーに置かれていますが、ブログができていますので、順次、再掲します。
 
 「カツオ県民会議、私はこう考える」第1回 高知カツオ県民会議会長代理 受田浩之(うけだ・ひろゆき)高知大副学長 


Q 産官学連携、県内各地のまちづくりで委員を務めるなど、高知県の行政関係者やマスコミで先生を知らない人はいない。色々な顔をお持ちだが、高知のご出身ではないと聞いています。
A 生まれたのは福岡県北九州市の門司です。少年時代は小倉に住んでいました。大学と大学院が九大なので、福岡市に長く住みました。九大農学部の研究室のボスから「ちょっと高知に行ってこい。必ず戻すから」と言われて、高知大に赴任してから25年あまり、今じゃすっかり、高知人です。

Q 福岡に戻りたいと思ったことは。
A 福岡で知り合った妻は「高知に来たから、こんなに色んな人と会えて、いろんな仕事ができたんじゃないの」と言ってくれています。本当にその通り。コンパクトな高知にきて、様々なご縁をいただき、本当によかったと思っています。

Q 高知大の副学長ですが、そもそも、研究者としての専門分野は。
A 何をやっている学者なのか、ご存じない方が増えています。食品分析学です。栄養や、色・味・香りなどの感覚、健康を維持・増進する生体調節機能の成分の分析技術の開発が主要なテーマです。色々な病気の原因と考えられている「活性酸素」を消去する能力がある物質を、簡単に評価できる分析技術を確立しました。商品にもなり、生化学や食品化学の分野で世界的に利用されています。分析結果が、特定保健用食品の誕生に結びついたりもしています。この分野のつながりで現在、内閣府の消費者委員会の委員も務めています。

Q 2017年2月のカツオ県民会議の立ち上げに関わった背景は。
A それまでは日本カツオ学会で、漁師、漁業、水産研究者、自治体の方と活動してきました。いろんなネットワークができ、カツオ資源が非常に危ないということも確信できた。一方で、カツオに非常に近い人だけが集まっていたため、議論が煮詰まりがちで、広がりに欠けていました。

Q 幅広い運動に踏み出したきっかけはどこにありましたか。
A 高知県はカツオの消費が日本一。すべての県民がカツオに触れている。2016年の夏、カツオ学会で一緒に勉強していた土佐料理「司」の竹内太一社長から「カツオの資源管理で成果を上げていくためには、県民運動にしていくしかないんじゃないか」との真剣な提案がありました。土佐経済同友会の前代表幹事の岡内啓明さん、高知新聞の宮田速雄社長と相談し、流れができた。

Q 県民会議の面白いところは。
A 企業経営者や組織の責任者といった本当に忙しい人たちが、なんとか時間を割いて集まっている。この一年の議論を経て、皆が本気になり、熱を帯び始めている。今年12月にフィリピンのマニラで開かれるWCPFC総会にも参加して、私たちの問題意識を訴え、世界の心ある人たちと交流したい。

Q 座長を務める資源・調査保全分科会はどんな活動をしてきましたか。
A 水産庁の担当者や高知県水産振興部からレクチャーを受け、資源調査の現状や課題を理解できた。どうすればいいか、少し具体的に見えてきている。科学技術の最前線を駆使していかなければならないことも分かった。そういう研究に関わる方、そういう技術をもった産業に近い方、そういう調査を進めるために必要になってくるお金の問題に知識がある方、いろんな議論を前向きに進めている。

Q 県民会議の当面の課題は。
A 私を含め、皆が忙しいので、議論の進みが遅かった。ホームページもでき、事務局の負担も増してきた。2018年11月の豊かな海づくり大会の時期を一つの運動の区切りとし、その後の12月のWCPFC総会に成果を持って参加していくため、運動を進めていく態勢をつくっていきたい。
 カツオを取り戻すため高知県は既に、現在48%となっているカツオの初期資源量を60%まで引き上げるよう、国に政策提言している。そこに至るまでには、たくさんの取り組みが必要になる。県民会議としてのマイルストーンを設定し、できるだけ早く、具体的に提案していきたい。

Q カツオの消費者である高知県民へのメッセージをください。
A 高知に観光にくる人の多くは、美味しいカツオを食べたいという目的を持っている。カツオが食べられない高知となると、どこまで魅力が低下するのか、とても怖い。県民の皆さんにも関心をもっていただき、それぞれの立場から応援してもらいたい。

Q 研究者として、カツオの成分を分析したことはありますか
A もちろんです。筋肉疲労を抑制するアンセリンというペプチド化合物がカツオには豊富です。カツオを食べた翌朝の眼精疲労の程度を調べたことがあります。学会発表できるほどの、サンプル数や厳しい検討は加えていませんが、疲労回復にカツオは効く可能性がある。高知人の元気の素は、カツオかもしれませんよ。

(2017年11月6日)


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by katsuonews | 2018-03-08 16:43 | Comments(0)

カツオがやばい!って知ってました?


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