和歌山サミットののろしを、引き継ぐのは高知だ!
2018年 04月 09日
まず、福田記者は、高知と和歌山の共通点に着目する。この出張の機会を逃してはならないと、潮岬まで足を伸ばし、「黒潮」という地名を発見。北に険しい山地、南に太平洋という地形にも「親しみを感じた」という。
ここからが、10数年前から、カツオの不漁に取り組み知識と経験を蓄積してきた福田記者の真骨頂だ。一本釣り漁法とかつお節製造の技術を編み出したのは「江戸期の紀州漁民」と喝破。黒潮に乗って海を移動する彼らが、その技を惜しみなく他地域に伝え、日本列島各地でカツオに関わる産業が栄えるきっかけを作ったというのだ。そして、土佐(高知)もそんな地域の一つ、とした。
カツオに関わる産業は、①漁業②加工業③食文化―と整理した。こうしたカツオで栄えた地域は、皮肉なことに、今、例外なくカツオ不漁の問題に直面しているのだ。
ところがこうした問題は、政治や国の政策を動かすような、大きな声につながっていない。福田記者は「ほぼ太平洋側に限定される」と地理的な偏りを指摘した。
こうした中で、高知県とはひと味違う、和歌山県の歯切れの良さを評価していく。和歌山県は2018年、安倍政権に政策要望を提出しており、そこには、「カツオの資源管理」との項目があり、「沿岸域への来遊量が著しく減少しているカツオ資源を早期に回復させるためには、熱帯域での漁獲の約80%を占める巻き網漁業に対する早急な規制強化が必要」と明記していることを紹介した。
「問題の本質を突く明快な指摘」と喜ぶ福田記者。高知カツオ県民会議の主張と重なるからだ。
最後に、和歌山と高知の県レベルの地域連携を福田記者は提案する。具体的には、共同声明や一緒に政府に要望することを挙げた。近海一本釣り船の数が高知を上回る宮崎の参加した「カツオ連合」を構想する。
実はカツオの問題を扱う国際会議、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)で、熱帯域でのカツオの漁獲規制を求める日本政府の主張は劣勢に立たされている。
私たち、高知カツオ県民会議は、国際交渉に臨む日本政府を後押しするためにも、国内のカツオに関わる人々が大同団結する「カツオ連合」が必要になると考えている。実は今回のサミットのようなことが高知でできないか、と考えていたが、すさみ町が先にやってくれた。このサミットがカツオ連合のきっかけになることを、強く望むし、そのために、色々な努力がなお必要だろう。和歌山に上がったのろしを、引き継ぐの高知しかない。(情報発信分科会 西野 秀)
by katsuonews
| 2018-04-09 17:53